香水
- lepidos1989
- 11月2日
- 読了時間: 7分
こんばんは! あと数分したら日付変わりそうですけど、この興奮を明日に持ち越すのは勿体ないので滑り込みました。
寒いですね、特に私が住んでる地域は風が吹き荒れ、流石に寒さに強いはずの私でも骨身に染みます。でも風が強いおかげか、晴れ間が多くてお散歩日和ですね~ 歩いてるとあったかくなるし、待ちに待った冬でテンションも上がってます。で、今日はそんな状態を加速させるかのように嬉しいことがありました! いえい!
狩野星の香水が届いた
というわけです、いえい。
当サイトは始めて間もなく、そもそも「狩野星」って誰やねんって方もいらっしゃると思うのでちょっとだけご紹介をば。
こちら(リンク先)が公式HPですが、やつかなが見切り発車で作った短編ノベルゲーム「オリオンは海に溶け」の攻略対象です。
どんな話かというと転校生であり、クラスの人気者である「狩野星」に突然放課後呼び出され、「こどもをつくってほしい」と頼まれるゲームです。やっぱり字面にするとインパクトでかいな。とはいえ、こんな爆弾発言をかましつつも、誠実で明るい男子高校生なのでよかったらぜひ~ やつかな味の男子です。何の説明にもなってない
ちなみに先日、突然バッジを実装したのはこれを記念してってことです。そういうわけでこれまた良かったら是非。
で、その不思議な男子高生の概念香水を作ろう!と思って前々からお願いしてたのがやっと届いたっていう話ですね。前置き長すぎ。
きっかけは、なんだろう、この作品を公開して1年が過ぎ、香水でも作るか!みたいな気持ちになり......
以前から自創作のグッズ欲しいなとは思っていたのですが、私自身が物を道具としてしか認識できない唯物論者であるため、キーホルダーやアクスタを大事にできそうもない。当サイトをずっと見てくださってる方はご存知かもしれませんね、割と容赦なく物を捨てるので...... そうなると本ぐらいしかないかな~でも二次創作する気はないんだよね~と諦めていた時、まさに天啓の如く「推し香水」なるものを思い出しました。そう、最近はなんとキャラクターに合わせて香水を調合あるいは選んでくれるサービスがあるらしい! しかも結構な数の香水専門店でそれを取り扱っているという...... いろいろ迷いましたが、今回はScentlyさまを利用させていただきました! グッズならともかく、香水だといわゆる「消えるもの」なので唯物論者&ミニマリストでも管理しやすいんじゃないかなと結論付け、今に至るというわけです。
いや~めちゃくちゃ良かった、良かったので次項で話します。つまり狩野星に関するネタバレを多分に含みますのでご注意くださいね
どんな香り?
一番気になるのはそこですよね。実は今日、友人と電話しながら香水の実況をしたのですが、やはり香りを言語で伝えるのは難しい。
そもそも香りを形容しようとすると、どうしても特定の物体(林檎とかミカンとか)に依存した表現になるため、結局その物体の香りを知らないとどうやっても伝わらないし......しかも素人の嗅覚で正しくかぎ分け、適当な表現ができるかどうかも怪しいし...... という悩みを解決するかのように、なんと香りの解説カードがあるんですよ。しかもSNS等にアップしてもいい! て、手厚い...... てことでご厚意に甘えて解説メッセージをご覧いただきましょう。

ちなみにこれが私が書いたオーダーです




丁寧すぎる。ただでさえ、言語表現→非言語表現というめちゃむず変換を強いられている状態で。それに拍車をかけるような胡乱オーダーにより難易度を不必要に上げられてもこの再現度。しかもこの解説メッセージはオプション料を払えば文量を2倍にすることもできるそうです。あ、ありがたい......
で、本題の香りについてはプロの表現におまかせしまして、私は香水をつけた時の印象を話したい。というわけでそろそろ段落が肥大化しはじめたので次の項に分けちゃいますね
狩野星が「いた」って感じ
題名の通りですね。一言で表せばこうなります。まじで「どこにでもいて、どこにもいない彼」というのが表現されてて感動しました。
まずトップノート、これは解説にある通り、爽やかではっきりした柑橘系の香りです。甘さや酸っぱさをそれほど感じさせず、その澄んだ明るさで人を惹きつける感じ。かなりすっきりしてるのが狩野星らしさですね。なんか彼、人懐っこさや人当たりの良さではなく、性格の明るさで仲良くなるタイプって印象がありませんか?
しかも香りが特殊なわけではなく、よく好まれる香りという部分にも彼の「どこにでもいる」の要素が含まれててめちゃいい。あと制汗剤の香りに近いのも高校生らしさが出てて萌えますね。
続いてミドルノートですが、先ほどの柑橘系の爽やかさはそのままで、明るさに陰りが見えるような香りでした。よく見るとコリアンダーと書かれてますね。でもスパイスが効いている、というよりはより深みが増したように思います。明るすぎる輝きを前にすると影が濃くなるみたいな? ミステリアスだけど大人っぽいわけじゃなく、むしろ濃すぎる影にどこか人外めいたものを思わせるような...... 「放課後何してるか分からないひと」って感じ。
私の印象としては彼の誠実さの裏面である、見透かした物言いや明け透けな態度を感じさせました。明るくて誠実だけど、明るい彼にとって「私」の苦しみは照らす対象になってしまうような。
まあ、彼は彼女の痛みを照らして暴こうとしたわけじゃないんですが、そこらへんのさじ加減もお上手でした。スパイスが強すぎるわけじゃなく、爽やかさもずっと持っててるところが良かったですね。
最後ラストノートですね。これはミドルノートよりも暗い香りになっていました。しかし重たいとはいえ、陰鬱なわけではない。何故ならやはり爽やかさは相変わらず持ち合わせてるから。たとえていうなら夕日が沈んだ後の夜風でしょうか。暗くて重いけど、すぐそばをすり抜けていくから決して捕まえることはできない、的な。
ちなみに解説メッセージにも描かれている通り、注意深く嗅いでみると海、あるいは砂浜を思わせるような香りがします。実際の海とは違うんですが、なんでしょう、無性に寂しくなる感じ...... 狩野星だけではなく、作品の舞台まで表現していただけてめちゃくちゃ嬉しいです。やってよかった。
というわけでこれまで各香りに対して印象を述べてきましたが、これを繋ぎ合わせた総評としては「狩野星がいた」になります。
トップからラストにかけて明るさが徐々に消え、影が濃くなるにつれ彼の正体が分からなくなる。それでも変わらず爽やかさは持ち続けるけれど輪郭は曖昧になっていく、だからこそこの爽やかさだけが頼りで、でもその爽やかさは夜とよく似ていて......
狩野星が友達と騒いでいたクラスが放課後になり、夕暮れを迎え、夜になる。そんな印象を抱きました。狩野星本人というより、「狩野星がいた痕跡」を思わせましたね、そういう過去としての在り方が狩野星そのものなんですが。まあ、星ですからね、結局今見てる光だって過去のもので、今ここにはいないから...... うわ、めちゃくちゃ狩野星だ、この香り......
いや、もう狩野星本人だけじゃなく、作中の時間経過も感じさせる香りで感動しています。このような場で失礼ではありますが、素敵な体験をありがとうございました!
気付いたら感想に一時間ぐらい時間かけてました。まあ、それぐらい良かったということでね! めちゃくちゃ狩野星だ、明るかった教室は夕闇に塗りつぶされ、あの明るさは窓の向こう、手の届かない場所で輝いてる、うわ、放課後の星だ......
実はこの香り、私以外が購入することも可能だそうです。もしご興味がございましたらシリアルナンバーをお伝えできます! ご入用の方はお問い合わせフォームとかお題箱とかなんでも大丈夫ですのでご一報くださいませ~ それでは!
